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学会からのお知らせ

2025年度 日韓ジョイントパネル(於:韓国)報告者募集

日本社会学会 会員各位

 日本社会学会と韓国社会学会は、学術交流を目的として、毎年、日韓ジョイントパネルを行っています。交互で学会大会にてセッションをもち、日韓の学術的な関心テーマについて、交流を深めてきました。

 2025年度は、日本社会学会から韓国社会学会への派遣の年です。そこで、報告者を公募いたします。詳細は下記の通りです。関連するご報告を幅広く募集いたしますので、会員のみなさまにおかれましては、どうぞふるって応募くださいますようお願いいたします。

日時:2025年12月19日―20日 (於:大韓民国ソウル市、漢陽大学)

テーマ:「ポスト成長社会と社会学:新たな挑戦と可能性」

 韓国社会学会による2025年の後期社会学大会は、「ポスト成長社会と社会学・新たな挑戦と可能性」を全体のテーマとして掲げ、多様な領域からの研究報告が行われる予定です。

同大会で開催される日韓ジョイントパネルにおいても、同じ全体テーマのもとで、日本と韓国の成長社会を再検討し、両社会が「ポスト成長」時代に向けて取り組むべき課題について議論を深めたいと考えています。

大会趣旨文:2007-08年の世界金融危機を契機として、20世紀の資本主義諸国が経験してきた高度経済成長の時代は終焉を迎えました。その後、経済成長の鈍化、ナショナリズムの再興、気候危機の深刻化など、多様な危機が世界的規模で顕在化しています。これらの課題に対応するための議論において、デジタル経済への移行と脱炭素化が主要な戦略として浮上してきました。こうした変容は、既存の社会理論の枠組みでは十分に捉えきれない新たな社会経済的文脈を生成しています。

 近代性の危機に直面しているにもかかわらず、多くの社会学者は資本主義黄金期に隆盛した福祉国家モデルの復活を希求し続けてきました。例えば、ウルリッヒ・ベックやアンソニー・ギデンズが提唱した「再帰的近代化(reflexive modernity)」理論、資本主義の多様性に関する研究、あるいは調整型市場経済モデルに関する議論などがそれに該当します。しかしながら、新型コロナウイルス感染症のパンデミック以降、成長パラダイムに依拠した社会理論が、デジタル資本主義とグリーン資本主義という二重の変革の渦中にある現代社会を分析・予測する上で適切ではないことが一層明白になってきました。

世界金融危機以降、ポスト成長社会に関する議論は国際的な広がりを見せています。当初は気候危機への対応として登場した「ポスト成長」言説は、賃金労働社会の変容と産業構造の転換に関する議論へと発展しました。その結果、「ポスト成長」言説は産業構造の再編成、賃金労働の危機、脱炭素化、社会システムの再構築といった複合的課題を包括的に論じるようになりました。

 今日の激変する不安定な社会状況において、持続可能なポスト成長社会への移行に関する社会的議論はかつてない注目を集めています。経済規模の縮小を前提とする「脱成長(de-growth)」の概念から、市民参加に基づく代替的社会経済パラダイムを強調する「ポスト成長」言説に至るまで、多様な論点と社会理論的視座が検討されています。

本大会では、ポスト成長社会に適応した社会理論の可能性を探求し、ナショナリズムと民主主義に立脚する国民国家の将来像について議論します。また、ポスト成長社会における不平等—階級、ケア、先進国と発展途上国間の格差—について考察します。最後に、韓国と日本の成長社会を再検討しながら、両社会が「ポスト成長」時代に向けて取り組むべき課題について議論を深めたいと考えております。

条件:飛行機代支給(日本社会学会より)

   宿泊2泊分(韓国社会学会が準備します)

発表言語:日本語(原則)

応募期限:2025年8月31日まで

応募方法:日本社会学会事務局あてにメールにて応募

     メールアドレス:jss@sociology.gr.jp

応募時記載事項:

名前,所属,報告タイトル(仮),および報告要旨(100字~200字程度)

国際交流委員会および理事会にて審議の上,9月末をめどに結果を応募者にご連絡いたします。

国際交流委員長 森千香子