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学会からのお知らせ

第91回日本社会学会大会 学術振興会事業(科研費・特別研究員)説明会のお知らせ

 ご存じのように、日本学術振興会は、科学研究費助成事業および特別研究員を中心とする人材養成事業など、日本の学術を振興するための諸活動を行っており、これらについては社会学会の会員のみなさんも大きな関心をお持ちのことと思います。科研費に関しては、先年、「科研費審査システム改革2018」が実施され、審査区分や審査方法などの大幅な改定がなされました。これを機会に、社会学会の会員のみなさんが学振の諸制度をより積極的に活用されますよう、社会学会大会の場をかりて説明会を開きたいと思います。
 科研費は、人文学・社会科学および自然科学にわたるすべての学問分野に関して、研究者個人の自由な発想に基づく学術研究を支援するための制度です。今回の審査システム改革は、(1)学術の独自性と創造性を重視して研究の挑戦性を高め、(2)審査区分を大括り化して幅広い観点からの革新的な応募や審査を促進することをめざしています。たとえば、基盤研究のSおよびAは、これまで第1段階審査は細目「社会学」の範囲で審査されていましたが、新しい審査方式では、基盤研究Sは人文学と社会科学のすべてを含む大区分Aにおいて、そして基盤研究Aは、狭義の社会学だけではなく社会福祉学や生活科学などを含む「中区分8 社会学およびその関連分野」において審査されることになりました。したがって応募者は、幅広い学問分野の専門家によって読まれて審査されることを念頭において申請書を執筆することが求められています。
 今回の審査システム改革と相携える形で、科研費と人材養成の両方において、国際共同研究や国際的な発信をより強化するための新しい諸制度が導入されています。まず科研費では、新しく国際共同研究強化(A)と国際共同研究強化(B)という二つの種目が設置されました。とくに前者は、科研費に採択された若手研究者が基課題の研究をさらに発展させるための海外での共同研究を支援するものです。
人材養成では、新しく「若手研究者海外挑戦プログラム」が設けられました。これは、博士後期課程の院生が3ヶ月から1年程度、海外の研究者と共同して研究に従事することを支援し、将来国際的な活躍が期待できる人材を養成することをめざしています。また、特別研究員制度でもこれまでの海外渡航期間の制限をかなり緩和する処置がとられました。
以上のほかにも、学術振興会では、海外特別研究員、二国間交流事業、国際共同研究事業などを設けて、研究者が海外の研究者との交流、国際共同研究および研究の国際発信をより強化するための支援を幅広く行っています。
社会学会の会員のみなさんにもこうした諸制度をぜひとも積極的に活用していただきたく、説明会を設ける次第です。

盛山和夫(日本学術振興会学術システム研究センター副所長)