日本社会学会理事会は、11月4日の理事会で「ジェンダー平等・ダイバーシティ&インクルージョン推進に向けてのガイドライン」を制定しました。
学会活動における人権の擁護はもちろん、会員の多様なニーズへの対応、学会活動での心理的安全性の確保に向けて、今後、このガイドラインを活用していこうと思います。ご協力のほどよろしくお願いいたします。
(PDFはこちら)
日本社会学会におけるジェンダー平等・ダイバーシティ&インクルージョン推進に向けて
2023年11月4日制定
基本理念
日本社会学会は、学会員の学会活動および学会運営への参加をさらに拡充し、学会組織の一層の活性化に向けて、ジェンダー平等・ダイバーシティ&インクルージョンの推進を進めることを、ここに宣言します。
ダイバーシティとは、「性別、SOGI、肌の色やエスニシティ・国籍、宗教、年齢・世代、心身の障がいの有無など、人々の違いや多様性を尊重すること」を意味しています。ダイバーシティの推進の意義としては、まず「あらゆる人の人権の擁護」が挙げられます。日本社会学会においても、会員相互の関係における人権重視の観点が求められることはいうまでもありません。なかでも、日本社会において極めて大きな課題であり続けているジェンダー平等の課題は、ダイバーシティ推進において重要な位置付けが必要な課題です。
と同時に、ダイバーシティは、組織や社会の活力を生み出す源泉でもあります。多様な経験や視点の交流に向けて、学会活動を積極的に開くことで、日本における社会学の一層の創造的な発展を期待したいと思います。
現在、この課題は、DE&I(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)という形で整理され、語られることも多くなっています。ここでいう「エクイティ=公平性」とは、「情報、機会、資源へのアクセスなどにおいて全ての人に公平な扱いを保証しよう」というものであり、「インクルージョン=包摂」とは、「どのような人であってもメンバーとして歓迎され、尊重され、支援され、評価されることができるような環境を整備すること」とされています。
学会における諸活動において、DE&Iを推進することで、会員の多様なニーズに対応した「合理的な配慮」の拡充と会員の学会活動における心理的安全性の確保を進めることで、学会活動の一層の活性化を目指したいと考えます。
以上のような基本理念に基づき、以下のガイドラインを設定します。
ガイドライン
日本社会学会は、ジェンダー平等・ダイバーシティ&インクルージョン推進に向けて、以下のようなガイドラインを設定する。
1 本学会では、あらゆる学会活動において、性別、SOGI、肌の色やエスニシティ・国籍、宗教、年齢・世代、心身の障がいの有無など、人々の違いや多様性を尊重し、人権の擁護と学会活動の一層の活性化を推進するものとする。
2 本学会では、学会大会や学会活動において、会員の多様なニーズに対して可能な限り対応し、また、必要な合理的な配慮の拡充に努めることとする。
3 学会大会や学会活動において、人権の擁護はもちろん、会員の心理的安全性の確保のためにも、あらゆるタイプのハラスメント行為は許されないものとする。
4 ジェンダー平等・ダイバーシティ&インクルージョン推進に関わる各種法令等を学会として遵守するとともに、それらのより実質的な推進に向けて、自発的な取り組みを進めることとする。
5 本学会は、以上のような諸課題に対応するためにジェンダー平等・ダイバーシティ&インクルージョン推進委員会を設置する。委員会の活動については、別途定める。
6 本ガイドラインは 2023年11月4日より施行されるものとする。