科学研究費 基盤Aプロジェクト「移民受入れ国-送出し国の政策相互連関――国際社会学からの比較研究」(19H00607)の総括ワークショップを、下記のように3月3日日曜に亜細亜大学で開催いたします。奮ってのご参加よろしくお願いいたします。
開催趣旨
移民政策はGlobal Northに属する受け入れ国の視点で長らく分析されてきた。しかし、グローバルな移動の時代にあって、受入れ国だけでなく送出し国の政策(戦略的な送出し政策、送り出し時の選別、帰国後の再適応等)の持つ重要性も高まっている。日本の新制度の形成もまたこの流れの中に直面しつつある。現代では両者の相互連関の中でしか、移民をめぐる政策を理解できないといえよう。加えて、メキシコ・トルコのかつての送り出し国が中継国としての性格を強め、その持つ役割の大きさも高まってきている。このワークショップでは、受入れ、送出し国の政策の相関関係に加え中継国の構造転換について、南北アメリカ、EUとその周辺、そして日本とアジア諸国の三大地域の比較を行い、現代における移民政策がどのような相互連関の中で形成されつつあるかを検討していきたい。
日時: 2024年3月3日日曜 13:00~18:15
場所: 亜細亜大学武蔵野キャンパス 5号館512教室 (中央線武蔵境駅下車徒歩13分)
プログラム
13:00 開会の挨拶とプロジェクト趣旨 小井土彰宏(亜細亜大学)
総合司会:竹中歩(一橋大学)
司会:南川文里(同志社大学)
13:15 小井土彰宏(亜細亜大学)「米国境管理の外部化とメキシコ国家の転換
――中南米難民の選別的排除のリモート化」
13:45 飯尾真貴子(一橋大学) 「メキシコにおける人道的管理レジームの形成
――国際機関、国家、支援組織の相互連関に着目して」
第2部 ヨーロッパとその周辺での移動をめぐる規制と保護
司会:園部裕子(香川大学)
14:40 工藤晴子(神戸大学)「難民受入れ/中継国における震災と“社会的調和”の限界
――トルコ南東部における難民支援と震災対応から」
15:10 堀井里子(国際教養大学) 「渡航管理をめぐる政治
――EUの渡航情報承認制度ETIASを事例に」
第3部 日本とアジアの間での技能をめぐる相互交渉
司会:小川玲子(千葉大学)
16: 05 平野恵子(横浜国立大学)「インドネシア介護士資格創設からみる再生産労働者の”
技能化”――日本への送出しを契機として」
16:35 真住優助(金沢大学)「”技能移民“が包括的カテゴリーになるとき
――日本における外国人留学生の階層化された労働市場への参入」
17:20 総括討論
18:10 閉会のことば
主催:科学研究費課題(基盤研究A 19H00607)研究グループ(研究代表 小井土彰宏)
共催 国際社会学研究会