東北社会学研究会では、下記の要領で、2025 年度東北社会学研究会大会シンポジウムを開催いたします。会員・非会員を問わず、参加できますので、関心のある方はぜひご参集ください(対面のみ)。また、大会終了後には、懇親会(非会員も参加可)を開催いたしますので、お時間のある方はこちらにもご参加ください。
参加申し込みについては、12月7日(日)までにこちらのフォーム(https://qr.paps.jp/kgTi )からご回答ください。
記
2025年度東北社会学研究会大会シンポジウム
「能登半島地震・奥能登豪雨からの復興過程と生活・集落再建」
日時:2025年12月21日(日)
13:00~17:00 大会シンポジウム
17:10〜17:30 総会 (会員のみ)
場所:東北大学文学部川内南キャンパス 文学部第2講義室(対面のみ)
大会参加費:1,000 円(学部生無料)
【東北大学キャンパスマップ】
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/profile/campus/01/kawauchi/areac.html
(上記地図の「C-18」の建物になります)
18:30〜 懇親会(非会員も参加可。仙台市内を予定)
※懇親会の詳細は、お申し込みいただいた方に後日連絡いたします。
報告者:
阿部晃成(金沢大学能登里山里海未来創造センター)
坂口奈央(岩手大学防災研究センター)
雁部那由多(東北大学大学院文学研究科博士後期課程)
コメンテーター:
松原久(福島大学 地域未来デザインセンター)
松井克浩(新潟大学人文学部)
司会:
小松丈晃(東北大学)
【企画趣旨】
能登半島は2007 年3 月発生の地震の被災地でもあるが、2024 年元旦に襲ったM7.6(最
大震度7)の令和6 年能登半島地震では、死者241 人・負傷者1,296 人、全壊7,704 棟・半壊9,467 棟の住家被害をもたらし激甚災害にも指定された。さらに同年9 月の奥能登豪雨の被害も重なり、二重の重大な被害を受けたことにより、過疎化と高齢化が著しく進行し生業の有り様も大きく変容しつつあった能登半島、とりわけ奥能登の地域に、現在も、多大な影響を及ぼし続けている。
他出した子との関係性、生業の見通し、地域での(あるいは個別の)家屋やインフラの被害状況、復旧の目処、近隣住民の今後の動向、等々に影響を受けるかたちで、被災地で生活する人々は、将来設計、生業、住宅や集落の再建の有り様について見通しがなかなか立てられず、見通しが立てられないがゆえにその地域を離れる選択をすでに行った人もいれば、あるいは、その決断そのものを先延ばしし、残る/離れるという選択肢には縮約しえない苦渋の状況のただ中にいる人々もいる。
本シンポジウムでは、中間報告的な現状分析・現状の整理も含めて、上記のような二重の被害を受けた能登半島での人々の生活再建・将来設計の方向性や、それと連動する集落としての再建の有り様について、地域社会学・災害社会学の観点から、また、東日本大震災のおりの経験とも突き合わせつつ、会員とともに考えてみる機会にしたい。
報告者には、阿部晃成氏(金沢大学能登里山里海未来創造センター、非会員)、坂口奈央氏(岩手大学防災研究センター、会員)、そして雁部那由多氏(東北大学大学院文学研究科、会員)を予定している。阿部氏は、能登半島地震の直後から現地に入り被災集落の自治組織からの依頼で、再建に向けた集落単位での意思決定のための支援の活動をされており、区長や域外避難者等への聴取調査に取り組んでいる。坂口氏は、岩手県大槌町の、特に赤浜地区を対象に東日本大震災からの復興過程について調査研究を進め(その成果は『生き続ける震災遺構』(ナカニシヤ出版)として刊行された)てきたが、能登半島地震後、能登町小木地区と大槌町安渡・赤浜地区との住民間の交流をきっかけに、小木地区の被災後の住民生活をテーマに調査を進めている。雁部氏は、輪島市門前町を主なフィールドにして、能登半島地震の前から、地区の人々の関係性や自然との関わりを背景にしつつ生活再建の方向性や将来構想について調査研究を行っている。
また、コメンテータには、東日本大震災の被災地(特に石巻)での地域自治システムの研究、能登半島地震での(特に輪島市での)集落自治の研究に携わっている福島大学地域未来デザインセンターの松原久氏(会員)と、新潟県中越地震・中越沖地震の被災地や、東日本大震災による福島原発事故によって故郷を奪われた人々の生活・コミュニティを対象に、被災したコミュニティとその復興過程の研究に長年携わり、『故郷喪失と再生への時間』『原発避難と再生への模索―「自分ごと」として考える』など多数の著作を刊行されている新潟大学人文学部の松井克浩氏(会員)に、ご登壇いただく予定である。