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社会学系コンソーシアム2023年度(第16回)シンポジウム「なぜ、社会的孤立は問題なのか?」のお知らせ(3月9日)

開催趣旨:
 近年、社会的孤立の問題に強い関心が集まっている。この問題に関しては、これまでさまざまな議論がなされてきたが、本シンポジウムではそれらの成果もふまえた上で、社会学・社会福祉学の視角から「単に個人の孤立や困難が問題なのではなく、社会構造や組織・制度によって作られていく社会的孤立が問題である」という立場に立ちつつ、社会的孤立はなぜ問題なのかを改めて問い直す。
 例えば、福祉制度の枠から外れてしまった「新たな社会的貧困層」の中では、DV・虐待などによって苦しんでいるシングルマザー、あるいは他の支援を受けられないヤングケアラー、既存の集団には属していない外国人などにおいて社会的孤立が生じている。また、つながりを作りさえすれば孤立が解消するわけでもなく、若者のSNS上で見られるような表面的な友人数の増加は、真の意味での友人や支援者の形成につながっていない可能性がある。さらに、今日の社会状況のもとでは、家族の絆によって孤立を防ぐことにも限界がある。
 このような現代社会における社会的孤立の問題を、社会学・社会福祉学の視点から検討していくことは極めて重要である。社会学が以前より研究対象としてきた家族、職場、地域社会などの中間集団の弱化が、現代社会におけるつながり(絆)の弱化をもたらし、そのためにこのような状況が生じているとも考えられるためである。本シンポジウムでは、家族、地域、教育、福祉など、以前より個別社会学が対象としてきた領域のみならず、年齢やジェンダー・セクシュアリティ、階層など多様な視点から孤立を問題にする。このために社会関係の複雑な重なり合いやソーシャルキャピタル(社会関係資本)などを含めた多様な領域から登壇者を迎えて、この問題を検討していきたい。

日時:2024年3月9日(土)13:00~16:30
方法:Zoomウェビナーによるオンライン開催
    (登録フォームにご記入いただいたアドレスに、後日、ZoomウェビナーのURLを送付します)

総合司会:有末賢(亜細亜大学、日本都市社会学会)

報告者:
  1.石田光規(早稲田大学、日本社会学会)
  2.斎藤雅茂(日本福祉大学、日本社会福祉学会)
  3.阿部彩(東京都立大学、福祉社会学会)

討論者:
  ・稲葉陽二(元日本大学)
  ・野沢慎司(明治学院大学、日本家族社会学会)

◇参加申し込み
 一般参加可能、参加費無料です。以下のURLにアクセスして必要事項を入力ください。先着1,000名まで参加可能です。こちらの登録
フォームに記入いただいたメールアドレスに、後日、参加に必要なZoomウェビナーURLをご案内します。

主催:社会学系コンソーシアム・日本学術会議社会学委員会
共催:国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)社会技術研究開発センター(RISTEX)
  「SDGsの達成に向けた共創的研究開発プログラム
  (社会的孤立・孤独の予防と多様な社会的ネットワークの構築)」