「第10回震災問題研究交流会」開催のお知らせ
震災問題研究ネットワーク代表 浦野正樹
日本社会学会 防災学術連携体担当(連携委員)
浅川達人・浦野正樹
震災問題研究交流会は、2024年3月で通算10回目を迎えます。この交流会は、東日本大震災をきっかけにして企画されたものです。震災の発生直後から日本社会学会の研究活動委員会を中心にして研究者同士の被災現場の調査研究状況などを共有するために震災情報連絡会が設けられ、それを基盤にして第1回の研究交流会が開催されました。その研究交流会はその後の災害発生状況などに鑑みてテーマを拡大しながら、毎年続けられてきました。現在では、日本社会学会内に置いている防災学術連携体担当(連携委員)と、社会学的視点をベースにおいた災害研究をめざす研究集団<震災問題研究ネットワーク>との連携というかたちで開催しております。
近年では、猛威をふるったコロナ禍による生活への広範な影響、ロシアのウクライナ侵略などに伴ったエネルギー不足や食糧不足などの生活不安が続く数年間を経て、いまだ世界的に不安定で先行きが不透明な社会状況が継続しています。さらに、不安定な大気の状況により、台風や集中豪雨などの風水害や土石流災害も頻発しています。今年に入り元旦から能登半島地震の報が入り、あらためて過疎地域の災害の怖さと対応や支援の難しさを痛感させられているところです。
本研究交流会では、これまで、東日本大震災に限らず、昨今の甚大な風水害、コロナ禍のなかで顕在化してきた社会課題など、災害と社会との関わりや影響を含め幅広い研究交流を行ってきました。今年度も、災害事象全般に関する報告を受け付けますので、是非下記の要領に従って、一般報告の申し込みをお願いいたします。この交流会では、発表者だけでなく、参加して一緒に討論していただける方、社会学者と一緒に議論してみたい他分野の研究者、行政担当者、マスコミ関係者、災害研究に関心をお持ちの方にも参加していただいております。
※昨年までの研究交流会プログラムなどの情報、及び一昨年度までの交流会報告書については、次のリンク先からご覧いただけます。
※なお、追加の詳細内容を記したプログラムの最新バージョンは、下記サイトにて随時更新し公表されます。参加される方は、下記サイトの最新バージョンをご確認ください。
https://greatearthquakeresearchnet.jimdo.com/
※形式は、昨今の状況を鑑み、会場での対面を主とし、Zoomによる遠隔リアルタイム方式も用いたハイブリッド形式の研究会として開催いたします。
初日の3月20日(水)は従来からの一般報告を中心にした研究報告会(セッション1~4)を行い、二日目の3月21日(木)は現在進めている科研費プロジェクトの報告会を兼ねた企画報告・検討会(プロジェクト企画セッション)というかたちを取りたいと思います。
記
開催日:2024年3月20日(水)~3月21日(木)
対面会場:早稲田大学戸山キャンパス33号館第1会議室(文学学術院キャンパス/新宿区戸山1-24-1、対面会場の詳細は本プログラムp.5および下記の震災問題研究ネットワークのウェブサイトに掲載します。 https://greatearthquakeresearchnet.jimdo.com/)
[初日3月20日、午前のプログラム]
9:10〜 Zoomのミーティングルーム開室
9:30〜11:30
セッション1 【原子力災害における避難とリスク認知、復興と遺構保存をめぐる葛藤】
1-1 静間健人(東日本大震災・原子力災害伝承館)Zoom
「東日本大震災・原子力災害の避難者への情報支援の内容整理―自治体広報誌・ダイジェスト版新聞・避難者向け情報紙を対象として―」
1-2 佐々木大記(産業技術総合研究所・筑波大学大学院)・五十嵐泰正(筑波大学)・高田モモ・保高徹生(産業技術総合研究所) 対面
「原子力災害による避難と復興による被災地域の変容——川俣町山木屋地区の帰還者/未帰還者の生活史および「かわまた田んぼリンク」の事例研究——」
1-3 出口杏奈(岡山大学)対面
「男性の災害経験とは何か―東日本大震災・原発事故をきっかけに母子避難を経験した父親の語りから―」
1-4 深谷直弘(長崎県立大学)対面
「東日本大震災と福島県の震災遺構の保存」
1-5 楠見孝(京都大学)・三浦麻子(大阪大学)・小倉加奈代(岩手県立大学)・西川一二(大阪商業大学)Zoom
「福島第一原発事故による食品放射能汚染とCOVID-19に対するリスク認知の比較:13波パネル調査データによる12年間の推移の検討」
セッション2 【記憶の継承と支援活動の構築】(Zoom 部会)
2-1 浅野富美枝(宮城学院女子大学)Zoom
「関東大震災における女性支援ネットワーク」
2-2 正井佐知((公財)ひょうご震災記念21世紀研究機構 人と防災未来センター)
「知的障害者と家族の災害時避難に関する課題」Zoom
2-3 山地久美子(神戸大学)Zoom
「阪神・淡路大震災29年の災害語り継ぎ・語り部の現状と課題」
2-4 齋藤幸世(名古屋市立大学)Zoom
「日本震災支援への台湾官民の想いと実践」
[初日3月20日、昼のプログラム]
12:30〜14:30
セッション3 【原発事故によって生じた分断と住民意識】
3-1 藤川賢(明治学院大学)対面
「原発はどのように人々を分断するのか(1) ――公害問題との関連と被害の潜在化」
3-2 青木聡子(東北大学)対面
「原発はどのように人々を分断するのか(2)――立地計画がもたらす「ふるさと」損傷」
3-3 関礼子(立教大学)対面
「原発はどのように人びとを分断するのか(3)――「ふるさと」の剥奪・損傷と抗いのかたち」
3-4 原口弥生(茨城大学)対面
「原発はどのように人々を分断するのか(4)――制度のはざまで揺れ動く「生活再建」と埋もれる被害」
3-5 高木竜輔(尚絅学院大学)・佐藤彰彦(高崎経済大学)・山本薫子(東京都立大学)・沼尾波子(東洋大学)・金井利之(東京大学)・横山智樹(日本学術振興会)・市村高志(法政大学)対面
「原発事故からの復興における富岡町民の生活と将来に関する意識調査――調査の概要とその意義」
[初日3月20日、夕方のプログラム]
15:00~18:30
セッション4 【防災・減災に向けたコミュニティ形成と地域の持続可能性】
4-1 三隅一人(九州大学)Zoom
「佐賀県武雄市における未来共創ラボの試み-防災教材の工夫」
4-2 中山敬太(九州大学)Zoom
「地域安全行政における平時リスクコミュニティ形成の「ナッジ」アプローチの可能性―自主防災組織と避難所運営コミュニティを事例に―」
4-3 坪井塑太郎(帝京大学)・菅磨志保(関西大学)・尾島俊之(浜松医科大学)対面
「災害時における地域自立支援体制の構築と広域連携による保健医療調整本部の連携に関する研究-長野県伊那市を事例として-」
(休憩)
4-4 望月美希(静岡大学)対面
「令和4年台風15号災害における中長期支援とその課題――静岡市清水区を事例に」
4-5 妹尾渉(国立教育政策研究所)・松田洋介(大東文化大学)対面
「被災地の中高生・保護者の進学期待一大船渡市・陸前高田市のコーホート・パネル調査に基づく分析一」
4-6 嶋田一郎(東北大学)Zoom
「複雑化・激化する自然災害―「復興権」に基づく被災者の復興―」
4-7 長岡素彦(一般社団法人地域連携プラットフォーム)Zoom
「AI・Web3.0と防災・減災」
[二日目3月21日のプログラム]
10:00〜12:00 能登半島地震に関する報告
13:00~18:00 科研グループ5年間のプロジェクト成果のまとめと議論
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[一般参加の申し込みについて]
以下リンク先の参加申込専用フォームに、下記の情報をご入力のうえお申し込みください。
https://forms.gle/Lm9cT6xwqfq5kwm36
お申込みいただいた方には、オンライン参加のためのZoom情報等をお知らせいたします。
一般参加申し込み締め切り:2024年3月13日(水)
お問い合わせ先:震災問題研究交流会事務局
(office150315dcworkshop@gmail.com)
[報告者・参加者への注意事項]
1. Web会議ツール「Zoom」を活用したオンライン報告及び参加について
本研究交流会は、Web会議ツール「Zoom」を活用して、対面とオンラインのハイブリッドにて開催いたします。オンラインで参加される報告者および参加者の皆様は、各自で通信環境を確保してください。特にすべての報告者の皆様は、マシントラブルの可能性を考慮し、3月15日(金)までに事務局にメールにて報告資料を提出してください。
2. 報告時間について
報告時間は原則として1報告上限15分とします。質疑応答については、原則5分としつつ司会者の判断で適宜設ける予定です。
3. 会場案内
早稲田大学公式ホームページ(戸山キャンパス交通アクセス):
https://www.waseda.jp/top/access/toyama-campus
※eduroamに加入している大学にご所属の方は、free wi-fiが使えます。
4. 会場での報告資料等の投影について
当日は、持ち込みPCではなく会場備え付けのPCで操作していただきます。資料等を投影される方は、事前にUSBメモリにデータを保存しご準備ください。
ぜひ多くの皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。
(発信元:震災問題研究交流会事務局[office150315dcworkshop@gmail.com])