日本社会学会の『社会学評論スタイルガイド』第3版をここに刊行する.
『社会学評論』に投稿を予定している会員には,今後はこの第3版にしたがって執筆していただくことになる.また,この『スタイルガイド』は,『社会学評論』への投稿に限らず,社会学の論文を執筆する際に広く活用されて現在に至っている.そのような場合にも,今後はこの第3版が活用されることを期待している.
『社会学評論スタイルガイド』は,初版が1999年に,第2版が2009年に刊行されている.2015年から2018年の3年間を任期とするわれわれの編集委員会は,任期終了直後に第2版刊行から10年になることを考え,第3版の発行を課題として引き受け,改訂作業に取り組むことになった.
当初,『社会学評論スタイルガイド』の改訂はここ10年間の変化に鑑み,情報化とグローバル化の進展を念頭に小規模なものを予定していた.しかし,投稿者からの質問を集積している事務局を含む,専門性を考慮して編成した6名の改訂ワーキンググループ(以下,WG)によって見直し・情報収集を進めるなかで,中規模程度の改訂となった.
主な改訂内容としては,「ファミリーネーム」を「ラストネーム」とするなど表現を変更,オンラインデータベースによるものをはじめとする出典の出し方を変更するとともに例文などを差し替え,翻訳を示す「=」を文献リスト上では使わない,チェック・リストを詳細にしたことなどがあげられる.また,懸案であった句読点については,『社会学評論』スタイルとして定着しているとして,今回は変更しなかった.
『スタイルガイド』の改訂は10年ごとに行われてきたことになるが,日本社会学会の法人化や,電子情報環境の急速な進展に伴い,今回の改訂第3版については,今後10年を待たずに部分的に改訂する必要が生じるかもしれない.ごく限定的な範囲の改訂の場合は,日本社会学会WEBサイトにて周知するとともに,冊子体の『スタイルガイド第3版』の増刷時に手を入れることが考えられる.また,『スタイルガイド』の改訂に合わせて投稿規定などの関連諸規定を2018年6月付けで改正した.
実質的な改訂作業は編集委員会内に設置されたWGによって行われた.リーダーの藤井和佐編集担当理事,安藤由美・木戸功・藤田真文・吉田崇の各編集委員,そして見田朱子編集委員会事務局員の計6名がメンバーである.WGの労を惜しまぬ献身的な取り組みがあったことを記しておきたい.WGの作業経過を踏まえて,毎回の編集委員会で議論し完成に至った.
今後,この第3版に基づいて原稿を執筆することになるが,編集委員会関連諸規定など,法人化への移行と関わって改正が必要となることもあるかもしれない.随時,日本社会学会WEBサイトにて確認をお願いしたい.また,『第3版』についてお気付きのことは,編集委員会事務局にお知らせいただきたい.
2018年8月24日